今日は、某出版社から取材がありました。しかも幼稚園の保育内容についてです。テーマは「物を大切にする子どもを育てるには」ということで、ご縁ありまして私もアイデアを出させていただいた訳です。「物を大切にする」のは良いことに間違いないのですが、「どうして？」というのを掘っていくのは、余りみなさん行わないのではないかと思います。その辺り、坊さんとしてもちょうど突き詰めてみたい感もあり、承ることにしたのです。
　一応、自分なりの「その目的」「どんな物を環境として準備するか？」「どのように子どもに触れさせるか」という柱を立ててポイントを書き出していきました。それは何となく格好いい言葉だったのですが、「出してみればアタリマエのこと」ばかり。これで雑誌に載るのは…と思っていると、「すみませんが、何人か担任の先生方からお話いただけませんか？」ということで、３人の先生にも来てもらい、具体的な場面や声かけなどを披露してもらいました。また、その「現場ではこうです」が、何となく園長の言う「目的その他」と繋がっているのは、有難いと感じるほででした。
　編集者の方としては、「可能であれば、”これを言えばオッケー”という魔法の言葉」があるならば聞いて帰りたかったようですが、多分ないのです、それは。具体例を積み上げて、「これが○○（抽象的な言葉）なんだよ」と、何度も・時間をかけて・見たり感じたり体験して、自分のものにしていくのでしょう。特定の一人に対しての”魔法の言葉”はあるかも知れませんが、汎用性が無ければ雑誌に載せる意義がないし、先生がいきなり切り札を持って来たら、成長の余地がない。ここは先生自身も経験を繰り返して行くよりないのだろうと思います。
　ともあれ、５月だか６月には本になるようです。一般書店にはまずありません（ジュンク堂はあるかも）が、職員室的にはちょっと期待が盛り上がっています。