繰り返し

今日はお御堂参り。ようやく秋らしくなってきて、正面の扉を開けると気持ち良い風が入ってくるようでした。「今年は咲かないのか？」と心配すらしていた金木犀も、先週からようやく開き始めて秋らしさが増してきたように思います（花の色は薄いようですが）。

　さて今日は「お話の好きな殿様」で、ドングリが無限に落ちてくる話です。時期的にもぴったりですし、子ども達は繰り返しが好きですから、お御堂参りでは十八番といってよいもの。私ももう何回目かですけれど、多分ちょっとずつ表現とか演出とかは変わりつつあるのだろうと思います。今回はお殿様を少し子どもっぽく表現してみました。話の筋は…大きな木からドングリがポトンと落ちてコロンと転がりポチャンと池に落ちるだけです。ただし、延々と。なにせ星の数ほど実っていますから。

３順目くらいから、子ども達は面白さに気づいて笑い始めました。お殿様が「イヤイヤ、それは分かった。それで、その先はどうなったのだ？」「はい、ここからが面白いところでございます。またしばらく経ちますと（一息入れる）」辺りはシーンとなっていますが、「次のドングリが…」で大笑い。今度こそ違うのかな？という予想を裏切られた面白さか、期待通りという嬉しさか。どちらもあり得ますけれど。

　今の世の中にはお殿様も家来もおりません。しかし、この繰り返しの面白さは普遍的なのでしょう。話す方も筋が簡単なだけに表現方法に力を入れることができます。それが、この話しを繰り返し使ってしまう理由となっております。