先週末は、お遊戯会へ多くの方にお越しいただき、子ども達に拍手をおくっていただき、ありがとうございました。実は近年は「生活発表会」と銘打って、「普段の子ども達に近い姿をご覧いただく」という趣旨の会を行っている所も見られます。しかし私からは「非日常の世界を子ども達が作り、そこを保護者さんにもご覧頂く」という趣旨が良いと考えています。
　そして、非日常とは言え、そこに居るのは幼稚園の日常を過ごしてきた子ども達です。誰しもが「行ったり来たり」です。最近では「お神輿の担ぎ手が雇われて来る」という話も聞かれますが、（そうやって外部に頼るよりも）いつも日常を送っている共同体が日常と異なるルールで活動する、のがお祭なのだと思います。

　ただ、「近い姿」というのはかなり幅のある話です。今回も、「決めポーズは１人１人で決めた」「歌や台詞について、動きの表現は子ども達自身で考えて決めていった」という要素がありましたが、その辺りは「土台と自由な表現の組み合わせ」であると思います。他の行事にも通じることですが、「どこかまでは土台を大人が用意し、その上で子ども達が自由に振る舞う」というのは程度問題であって「全てを子どもが決める」のであれば「発表会を開く」こと自体も子どもが決めるのか？という話になってしまいます。ご家庭でも「どの遊園地に行くか？」は子どもの意見を聞けるでしょうけれど、「今日出かける」こと自体は大人が決めていると思いますし、それが良いと思います。「家庭全体の舵取りを子どもに任せることはできない」という訳です。
　私達は、少しずつ子どもに任せ、試行錯誤を促し、それを応援しながらアセスメントして、また次の試行錯誤を用意しているのだと思います。…こんな書き方をすると、ちっともワクワクしませんけれど（笑）。