学校法人明照学園
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素直ということ

素直ということ

2018/02/27


 昨日は年度最後の「お御堂参り」でした。実際は年長組さん、卒園式の日にお参りするのですが、今のメンバーでは最終回でした。ということで恒例の『花さき山』を演じました。お話するのはもう何年目か分かりませんが、ようやく「普通の・フルの読み聞かせ」でやることができました。
 言葉の読み替え(標準語っぽく)もせず、端折りもせず、大袈裟なジェスチャーも付けず。声の抑揚は結構つけました(それは日本語の特徴ですから)。「これだけの表現で、どれだけ受け取ってくれるかな」と、内心やや心配だったのですが、子どもの様子を見ていると、しっかり聞いてくれているようでした。絵本を開いて向けてはいるものの、「細部まで、よく見える」という距離でもありませんでしたが。
 これといって笑う場面はありませんし、全体的に黒の背景ですすんでいく話です。その分、それぞれの花の色が鮮やかに見えるのですが、「分かりやすく面白い」話でも本でもありません。

 けれど。子ども達、しっかり受け止めてくれていました。
 先生方の記録を読んでいたら、子ども達の会話の中に「あ、いま、花さき山で花が咲いたんじゃない?」という言葉が出てきたのだそうです。とても嬉しいことです。色んな思い通りにならないことや苦しみがあって、でも何とか過ごして行かなくてはならず、その知恵として「花さき山」の花があるならば、それほど有り難い受け止めはありません。
 思えば、この「素直に受け止める」という価値観は、現代少し日陰に追いやられているかも知れません。英語で「素直」を引くと、「従順・大人しい・抵抗しない」などと同じ単語で示されているのですが、日常何となく、ネガティブというか…使う頻度が下がっているような気がするのです。
「素直でいいなぁ」と感じることができた、そんな姿を見せてくれた子ども達。最後まで話を聞き、子どもなりに理解してくれた。年度最後のお御堂参り、無事に済ませることができました。

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