立てない・座れない
2015/10/08
非常に珍しくも、テレビ番組へのコメントです。
先ほど、NHKの「所さん、大変ですよ!」という番組を見ていました。「児童用の鉛筆から、HBがなくなっている!」という切り口から、子どもの体の機能が低下している、衝撃的にも「小学生が老化している」という言葉で表現されていました。えぇ!
曰く、「手先の使い方が簡単・単純になり、その結果、いわゆる不器用になっている」「手先の力というより、器用さは脳の発達にも繋がりがある」ということで、なるほど思い当たることがありました。
昔は、工作とかプラモデルとか料理とか、手先で物を作る(自作)ことが多かったですが、現代ではボタンを押すゲームだの指先を滑らすだの、とにかく「動きが単純」になっています。「できあがり・ゴール」のスケールは大きくなっているのかも知れませんが、実際の行動としては単純。機械が「誰にでも使えるように進歩」するのと同じ歩みで、「手先の器用さは不要にされる」ということです。「簡単で済む」というのは「細やかさを育まない」ということです。そして恐らく、そのエネルギーは言葉への細かいこだわりへと流れ込んでいるのではないかと(ここは推測です)。
お習字だのお華だの、昔からの習い事は全て、手先の器用さに負うところが大きいものです。お恥ずかしながら、私もボタンを押すのが好きな派ですので、成人してから筆で字を書き始めたときは非常に難渋しました。ペンばかり持っていたので、筆の線の太さを全くコントロールできなかったのです。
…はともあれ、多分脳みそにとっては「ボタンを押す」というのは下等な作業で、「字を書く」方が高等な作業なのでしょう。体は使うほど発達する。だとすれば、「字を書く」方が器用な体になっていくことは容易に想像できます。
私も、まとまった文章や発表の準備は、たいてい万年筆で書き始めます(万年筆である必要は無いのですが)。とにかく、漢字変換で思考が滞るのがイヤなのです。
幼稚園ではノリを使います。セロテープやホチキスや、スティックノリではありません。いろいろと不便さはあります。でも、「身体を器用に使う」という価値観に、これは合っていると思います。
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