今日はお御堂参りのあと、それぞれ印象画を描きました。全部の学年を廻ると、それぞれの特徴がよく見えます。年少さんは「グルグルの見立て」から形が独立してきましたし、年中組では「正しく描く」ことへの拘りが見えました。また、年長さんでは見え方（重なり・視点の固定による写実性）の確立が感じられる絵もありました。もちろん１人１人の表現は異なるので、先生がフォローしながら「ここが楽しかったね」という思い出を共有していきます。年少さんでも、描いた後で「みんなで見せっこ」したクラスもあるようです。
　絵の指導では、「また描きたいな」という思いで終わることを重視していますが、これは園長の個人的体験も影響しています。小学校で、「おまえ下手だな」と言われたのを今でも（！）覚えているのです。まぁ事実ではあったのですが、問題は「描きたくなくなる」という事なのです。もちろん「描きたくなくても描く・やりたくない事でもやる」は生きていく上で、ときに必要です。「自分なりの表現」を模索するきっかけにもなりました（多分、写真好きの遠因になっています）。でもその（負の）体験を避けることはできないでしょう。「心が折れる」なんて大袈裟な表現は誰が言い出したのか知りませんが、「めげる」位は必ずあります。
　しかし、その前にできれば「もっと描きたい！」という経験を積んであげたいのです。

　幼稚園と家庭での、活動の循環を考えることがあります。幼稚園で体験したことを、家で繰り返す。自由遊びの中で繰り返す。家で経験してきたことを、幼稚園のみんなに話す。繰り返すことで習熟し、身に付ける「学習」というプロセスを、生活全体として作っていきたいと願っています。