学校法人明照学園

躾を正面から考えるシリーズ④_関わり方を更新する

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躾を正面から考えるシリーズ④_関わり方を更新する

躾を正面から考えるシリーズ④_関わり方を更新する

2026/04/01

子どもの反応と成長を見ながら、いつ手放していくか

 第3回では、「叱る前に、整える」ことの大切さをお伝えしました。子どもが守りやすい環境を整え、親の言葉や態度を整えることは、躾の大切な土台です。ただ、子どもは毎日少しずつ育っていきますから、同じ関わり方がずっと合うとは限りません。昨日は必要だった支えが、今日は少し多すぎることもあれば、まだ足りないこともあります。だからこそ最終回では、子どもの反応と成長を手がかりに、関わり方をどう更新していくか、そして、いつ少しずつ手放していくかを考えてみたいと思います。

 

言い聞かせだけでは、届きにくい時期があります

 まず大切なのは、年齢によっては「言い聞かせだけ」では効きにくいという事実です。幼い子どもは、分かっていても止まれないことがあります。気持ちを切り替える力、待つ力、悔しさをのみこむ力は、まだ育ちの途中だからです。ですから、「何度言っても分からない」と受け止めるより、「今は言葉だけで動ける段階ではないのだ」と見直すことが必要です。前回までに触れたように、短く伝えること、教える場所を変えることは、そのための大切な工夫です。

 

子どもの反応は、支え方を見直す手がかりです

 うまくいかない時、私たちはつい「もっと厳しく言わなければ」と考えがちです。けれども、子どもの反応は、叱り方を強める合図ではなく、支え方を見直す合図かもしれません。注意すると余計に荒れるなら、言葉が多すぎるのかもしれません。何度言ってもできないなら、疲れや空腹、見通しのなさが影響しているのかもしれません。仏教では、「縁を整える」といいます。子どもを変えようと力を入れる前に、その子が動きやすくなる条件を整える。予告をする、やることを一つに絞る、「3つだけ片付けよう」と量を小さくする。そうした関わりの更新が、子どもを助けます。

 

できるようになったら、少しずつ手放していく

 そして、支えは永遠に続けるものではありません。躾の目標は、親がずっと管理することではなく、子どもが自分で思い出し、自分で立て直せるようになることです。声をかけなくても止まれる場面が増えた。失敗しても、自分でやり直せるようになってきた。ルールの意味を、自分なりの言葉で言えるようになってきた。そうした姿は、「手放してよい時期が近づいている」しるしです。親が一歩引くことは、放任ではありません。育ってきた力を信じて、次の役割を子どもに渡していくことです。

 

親子の「縁」が変わるのは、成長の証です

 子どもが小さいうちは、親が近くで止め、支え、整える場面が多くあります。しかし、子どもが大きくなってきたら、服を取り替えていくように、親との縁も少しずつ変わっていきます。前は細かく支えていたことを、今度は見守る。前は親が決めていたことを、今度は子ども自身に考えさせる。その変化は、親の役目が薄れることではなく、子どもが育っている証です。躾とは、いつまでも続けることではなく、整え、教え、やがて手放していく営みなのだと思います。

 

 子育ての中では、「これでよかったのだろうか」と迷う日が、きっと何度もあります。けれど、迷うのは、それだけ真剣に子どものことを考えておられるからです。

 園長として、また子育ての先輩として申し上げたいのは、「子どもは親と一緒に育っていく」ということです。うまくいかない日があっても大丈夫です。いや、むしろ「人間らしい育ち」とは、そういうものでしょう。日々関わり方を見直しながら、少しずつ手を添え、少しずつ手放していく。その積み重ねが、粘り強さが、子どもの育ちを支えていきます(大人側の非認知能力です)。どうぞ、ご家庭らしい歩みを大切にしてください。私たちも心から応援しています。

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