この書き出しで「ひーまわりの種−」と応えられるのは、きっと長女の世代（２０代）ですね。
さて夏休みに盛大に咲いたヒマワリが、その後の日照りにもあい、だいぶ首をもたげていました。「一粒の種から、ひと夏でこれだけ大きくなる！」という驚きとともに、「何れ（いずれ）の者も孰れ（いずれ）は老いていく」という真理そのままの姿。何だか寂しさを感じてしまい、枯れてはいなかったのですが花の部分を落としてあったのでした。
　そして幼稚園が始まり、子ども達が通りかかるのですが、そのままであれば余り興味をひかない。どういう結果になるか分からないけれど、子ども達の目に触れるように置いてみよう。そう思ってインスタグラムにあげたような環境を作ってみたのです。何か起こりそうという、ちょっとしたワクワク感でした。

　翌日、先生方に聞いてみると、色んな関心を持って子ども達が遊んだ姿が現れました。「①最初は見ているだけだったのですが、②誰かが種を取れることを知っており、種集めになっていきました。③どうやったら簡単にたくさん採れるか？試行錯誤していましたね。そして地面に落ちて砂と混ざった中で種を拾うために、④砂場のふるいを思い出す子もいました。最初にそれを思いついた子は私が見た時にはいなかったのですが、⑤だいぶ知恵が普及していました。また、集めて満足するだけではなく、⑥土に埋めて目印をつけ、次が育つことに期待している子もいましたよ」とのこと。

　この思わせぶりな番号は、実のところ文部科学省が「幼稚園などで子ども達に体験して欲しい姿や態度」に関わる記述です。①環境に興味をもち、②それまでの知識や技を使い、③課題をもって試行錯誤し、④既存の知識を応用し、⑤周りの子とコミュニケーションし、⑥将来の希望に向けて行動する…という「子どもの活動の見とり」ということができます。

　どうでしょう。「あら、種を集めたの。たくさんあったのね」に留まらない、子ども達の熱意や工夫や願いというものが、幼稚園にはたくさんあるのです…そして、先生方に見いだされることで、それらは以後の保育や育ちに生かされていきます。

　沢山の行事の中で、あるいは行事の活動を起点として、子ども達の育ちに繋がることが、これからも沢山あると思います。楽しんで２学期を進めていきたいと思います。