本年度の運動会は、お陰様で天候にも恵まれ、気持ち良くスカッと力を出し切って行うことが出来ました。準備・練習・そして本番と、保護者の皆様・役員さん、お父さん方にも多大なるご協力をいただきました。本当にありがとうございます。
　もう何十年と運動会を見てきていますが、常に感じるのは

子どもとは、応援するに足る存在だ

ということです。極めてアッサリした、単純な言い方ではありますが、そう思うのです。
もう少し詳しく考えると…
一つには、「価値ある存在だ」ということ、そしてもう一つは「親が成り代わるのではなく、独り立ちに向けて育ってきた」と認められるから「応援する」対象になっているのだと思います。しかもそれが、幼稚園という場においては「我が子だけではなく、その友達も、クラスも、幼稚園の子どもたち全体も」へと、親の側の心情が変化して…育ってゆくのだと思うのです。
　第一には、我が子でありましょう。それは当然です。しかし、落ち着いて視野が広くなると、「あの子も我が子と同じように頑張っている。あの子もそうだ。クラスの友達を応援している子もいる。励ましている子もいる。みんな、みんなだ…」と変化していくことは、大人として親として、素晴らしい成長の姿であると思います。そして、そういった「子どもと暮らしているからこそ味わえる、人間らしい心」が具体的に現れているのが運動会ではないかと思います。
　競うだけだったら。体の動きを表現するだけだったら。誰も観客がいる必要はありません（小学校以上の学習指導要領は、じつはそこまでしか目指していない気がします）。しかし「観客がいる・応援する」という環境ゆえに成長している部分は、必ずあると思います。思えば「生徒同士の人間関係」しか視野に入れていない「学校」と、幼稚園との違いが、こんな所にあるのかも知れない…と思いました。
　何にせよ、大人の皆さんが本気で子どもたちに関わっていることを、本人たちもきっと感じたのではないでしょうか。多くの方のご参加、ありがとうございました。