手を繋ごう
2014/07/18
幼稚園の玄関入ってすぐ、時計に並んで絵を掛けています。この1か月ほどは、「手を繋ごう(タイトルBy園長)」。某お店で見つけて一目惚れ。アリカワコウヘイ!さんという作家さんですが、後先考えず(お値段考えず)に選んでいました。特に気に入ったのは「メガネ男子」であること。メガネっ子が主人公の絵を探していたのです。
「手、つないでいい?」「もちろん!」という雰囲気です。
震災後の歌で、同じタイトルのものがありました。いろんなシチュエーションで使われる、台詞でもありコミュニケーションでもあります。そして、幼稚園が4月に始まってから、数限りなく同じようなシーンがあったのだろうと思います。「おはよう!」「おはよう…」、「遊ぼうよ!」「うん!」、「いーれーてー!」「いーいーよ−」、「行こうよ!」「はーい」…先に声を掛ける方は、かなり勇気が要るはずです。もしかしたら断られるかも知れないのですから。富田富士也先生の言葉で言えば「捨て身」です。そして、受け入れてもらうことで少しずつ自信を付けて行きます。本当に少しずつ。
もちろん、捨て身が空振りになることもあります。でも。また立ち上がり「手を繋ごう!」と働きかけていく。家族ではない人たちの中に出ていった子ども達が、他人に働きかけ、あるいは応えていく中で、成功も失敗もある中で、それでもまた「手を繋ごうよ」と前向きに進んでいく。「遊ぼうよ!」と友達を誘う。素晴らしい姿です。一人の人間として尊重すべき態度です。
脳は、単体では殆ど何も働きません。全て身体から情報を得て、身体を使って表現・出力しています。心が脳の働きであるならば、身体を通して経験したこと全てが、心を作っている材料になります。時に後先考えず、時に捨て身で、失敗してももう一回。その行為自体が、その時どき得た反応が、心を形作っているのでしょう。
行為とは、動詞です。「夏休みに、箱根に行った」の中心は、「箱根」ではなく「行った」です。連れて行ったもらった。歩いた。手を繋いだ。車で座っていた。探した。見た。子どもが「何を行っているのか」に、ぜひ注目してあげて下さい。
よい夏休みを。
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明照幼稚園
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