今日はお御堂参りでした。先週は園舎内活動の日だったので、ちょっと間が空きました。木々の葉も色づき、あるいは落ちて、冬が一段と進んだようです。さて、今日のお話は「さるかに合戦」。恐らく全員が、よーく知っているお話でしょう。ちょうど柿の実が色づいて、葉も落ち、木守り（最後の一個は取らずにおき、鳥にあげることで来年の豊作を祈るお守りにする）だけになって見やすいのです。
　お話自体は既知のものですし、むしろ「僕の知っている話から外れないでね」という視線で見ていたのですが、一方こちらからは、まぁ子ども達の心の動きがよく見えます。猿がおにぎりを取り上げる意地悪な場面。柿を投げつけられて痛そうにしているカニの描写。そして「サルは牛の糞で滑って、転んでしまいました」で爆笑。いや子ども達って、本当に尾籠なものが結構好きです（それだけ、ナマに生きているのですね）。無事にお話が終わって、子ども達は満足してくれたようです。筋書きとしても、「知っている通りの話だった」ことにしても。
　よく、「せかいのおはなし１０００話」とかタイトルのついた本を売っていますが、アラビアンナイトではあるまいし、そんなに知っている訳はありません。また、読んでみても結構つまらないもの、ピンとこないものも多いのです。やはり、歴史に磨かれて現代まで生き延びている「昔話」には、何か普遍的に人を惹きつける内容を含んでいるのでしょうね。いつも同じ話。だけど、それを聞いて「ああ、今日もサルは懲らしめられちゃった」と安心して眠りに就いた子も、今日はいたのではないでしょうか。