学校法人明照学園

しつけを考えるシリーズ① 躾は「従わせる」ではなく「生きる力」を育てる土台

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しつけを考えるシリーズ① 躾は「従わせる」ではなく「生きる力」を育てる土台

しつけを考えるシリーズ① 躾は「従わせる」ではなく「生きる力」を育てる土台

2026/02/11

なぜ、躾の問題が難しいのか

 躾について、親がなかなか積極的に考えられない理由は、実はとても自然なところにあります。

多くの大人にとって、躾は「教わった」というよりも、「怒られた」「矯正された」という感情の記憶として残りやすいものです。そのため、「躾=怖い・苦しい・親子関係が悪くなるもの」と結びつき、できれば避けたいテーマになりがちです。

 

さらに、「子どもの自主性を育てたい」という願いが強いほど、「ルールを決めることは、自由を奪うのではないか」という迷いも生まれます。

そしてもう一つ、「怒る親ではいたくない」。

この三つが重なると、躾は「必要だと分かっているのに、後回しにされやすいもの」になります。

 

けれど、躾を曖昧にしたままにすると、家庭の中の困りごとは増えやすくなります。

基準がその場その場で揺れると、子どもは「何がOKで、何がNGなのか」を毎回“空気で読む”ことになります。これは、子どもにとって安心できる状態とは言えません。

 

結果として、

同じ注意を何度も繰り返す。

親の声がだんだん大きくなる。

親子の関係が疲弊していく。

——そんな悪循環が起こりやすくなります。

 

躾の目的は、どこにあるでしょうか?

逆に言えば、躾を整えることは、「怒らなくてすむ日を増やすための準備」でもあります。

躾の目的は、目先の服従ではありません。自己調整する力、他者と折り合う力、責任を引き受ける力など、社会の中で生きていくための土台を育てることにあります。

 

怒鳴る・叩くといった方法は、子どもが力を身につける助けにはなりにくいことが分かっています。

大切なのは、関係性を保ちながら、期待を明確に伝え、落ち着いた対応を重ねていくこと。

躾は「罰」ではなく、子どもに必要な力を教える営みだ、という視点がここにあります。

 

躾を「叱る技術」として捉えると、どうしても苦しくなります。

けれど、「将来の自立に向けた練習」「安心して生活するための土台づくり」と捉え直すと、見え方は大きく変わります。

 

躾は、親が子どもをコントロールするためのものではありません。

親子が暮らしやすくなるために、少しずつ形を整えていくものです。

 

躾の話を進めると…副次的ねらい

そして、躾の話をしていると、ふと気づくことがあります。

これは、夫婦の関係づくりとも、よく似ているな…と。

 

「分かっているはず」「普通はこうするよね」と曖昧な言葉で伝えるほど、すれ違いは増えます。

逆に、期待を言葉にし、約束をそろえ、感情が高いときには一度立ち止まる。

そうやって関係を整えていくのは、親子も、夫婦も同じなのかもしれません。

 

子どもを「しつける」という言葉は使っても、

実は私たち大人同士も、日々、関係を整え直している最中です。

——お互いを、しつけ合いながら。

 

 

 

この連載で扱うトピックについて(予告)

 

このブログでは、「しつけ」を一回で結論づけることはしません。

代わりに、次のようなテーマを、回を重ねながら一緒に考えていきます。

 

  • 第1回

     躾は「従わせること」ではなく、「生きる力」を育てる土台

     ——なぜ躾が難しく感じられるのか、その背景を整理します。

  • 第2回

     まずは家庭で話してみる

     ——ルールより先に、夫婦で「どんな子に育ってほしいか」をそろえるところから始めます。

  • 第3回

     叱る前に整える

     ——言葉かけ・環境・約束の作り方など、日常でできる工夫を扱います。

  • 第4回

     子どもに合わせて、関わり方を更新する

     ——年齢や気質、その日の状態に応じて、支え方を変えていく視点です。

  • 最終回

     いつ、どう手放すか

     ——外から管理する関わりから、子どもの内側の自律へ。

     「任せていく」タイミングを考えます。

 

どれも、「正解」を示すための話ではありません。

それぞれの家庭で考え、話し合うための材料として、読んでいただけたらと思います。

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