どうして?と聞く前に
2025/09/17
「どうして?」と聞く前に
園だより 令和7年9月号
「どうしてそんなことをしたの?」…けんかのあと、つい聞いてしまう、このひと言。でも実は、幼児期の子どもにとっては答えるのが難しい問いでもあります。幼稚園で日々見えてくる、子どもなりの事情。ご家庭でも役立つ視点を少し、ご紹介します。
聞くのは簡単。答えるのは…
ある日のこと。「先生、○○くんが叩いた!」という声が聞こえてきました。急いで駆け寄ると、二人とも目を伏せて黙っています。何があったのか知りたくて、「どうしてそんなことしたの?」と聞きたくなるのですが─
ぐっとこらえて、まずは「なにがあったの?」から始めます。
というのも、「どうして?」という問いは、子どもにとっては案外ハードルが高いのです。自分の気持ちと行動を整理し表現する力は、まだ育っている途中。「分かんない…」とうつむく姿を見るたびに、私は「あっ、また一つ問題を背負わせてしまった」と後悔したことが何度もありました。
ではどうすればいいのでしょうか?
「そのとき、どこにいたの?」「○○くんはどんな顔してた?」─こんなふうに、出来事を一緒にたどる聞き方を心がけています。そうすると、少しずつ話し出してくれることが多いのです。「悲しかったのかな」「むかっとしたのかもね」と、こちらから気持ちに名前をつけてみせると、「そうなの」と頷くこともあります。簡単ではありませんが、「責めずに事実を共有する」ということです。
こうした関わりは、もちろん園だけで完結するものではありません。
ご家庭でのちょっとした会話・やりとりこそが、子どもの「言葉にする力」を守り育んでいきます。
そして、こここそが── 親の出番です!
おうちの中で、気持ちを言えたときは、こちらの期待通りか否かではなく、まずは「話してくれてありがとう」と返してもらえると、それが子どもにとっての安心の土台になります。うまく言えなくても大丈夫。ただただ「聞こうとしてくれる人がいる」という経験が、言葉に向かう勇気を育てていくのです。気持ちを言葉にすることは、いきなりはうまくできません。でも、できた時に、しっかり受けとめてくれる大人が側にいれば、子どもはきっと少しずつ、自分の言葉を見つけていくはずです。私たちも、園でそのお手伝いをしていきますね。(園長)
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明照幼稚園
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文京区のより良い環境で教育
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