文字への信頼感
2025/01/28
今日も絵画鑑賞を行いましたよ、文明開化の日本(東京)が舞台です。描写は電車の中。よく見ていると「地下鉄が駅に差し掛かったところ」というのが読み取れる…かな…という作品です。
最初から「これは電車だと思う。つり革があるから」と発見。その後は窓の外の風景に注目が集まり、「どうやら地下鉄。そしてトンネル出口ではなく駅に差し掛かっている」と、ほぼテーマに辿り着きました。
その中で気づいたのですが、「文字がある」というのは強力なヒントなのですね。「絵画を言語化する」というプロセスですから当然かも知れませんが、現代の電車にもある「車両製造年」「注意書き」「作者の印影」などに注目する子が多かったです。「1937…は、その年のことだと思う」「煙禁」って、何か書いてあるけれど読めない、「文字は小さくて分からないけれど、何か書いてある」…理解において、文字の占める比率は大きいのですね。
これは一方では「確実に正解だろう」を好む性質とも言えるかな…と思いました。絵だと解釈の余地が大きいですが、文字はもっとストレートに情報を伝えている。この活動自体は「絵画は解説ではなく絵そのものを見ることを楽しみましょう」という主旨があるのですが、「間違いないところ」の指摘が目立ちました。「文字、文字」と探すばかりになるとつまらないのですが、安心感があるのでしょうね。
このあたり、絵本における文字の役割とどう違うのかな…というのも気になるところです。絵本におけるそれは物語そのもの、つまりナラティブを綴っているのですが、絵画の中に書かれている文字はナラティブへの手がかり。桃太郎の鉢巻きに描かれる桃の絵のようなもので、やはり役割が異なるのだと思います。
ともあれ、今日も15分程度、あれこれと発言の絶えない時間となりました。未知の対象でも、自分なりの考えを発表し、人の発言を聞いて探したり考えたりする。そんな活動を繰り返しています。そしていつか、子ども達なりの「集団的知識形成」の果実として、「説明文を作ってみる」という課題も面白そうです。
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