学校法人明照学園

乳幼児から始める性教育…への気づき

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乳幼児から始める性教育…への気づき

乳幼児から始める性教育…への気づき

2024/11/15

 昨日は、文京区私立幼稚園PTA連合会の講演会に参加してきました。タイトルは「乳幼児からはじめる性教育」ということで、昭和40年代生まれの私は、当初ぜんぜんピンと来ませんでした。当時は(多分)そういった事柄を授業とかで教わる機会無く、「ぜんぶ現場で」戸惑いつつ受け入れていくようなものでした。もっとも、家に帰ってから遊んでいる子ども集団がまだまだ多い時代ではありましたが…。

 今でも文化的な壁はあるのでしょうけれど(文部科学省としての取組はコチラ)、そして最終的には保護者一人一人の判断なのでしょうけれど、「ユネスコとしてガイドラインを出している」ということから講演は始まりました。「5歳から性教育を始めましょう」と。

 まぁ実際、今だって「性教育」ということばが幼稚園のホームページに載っていることに少しドキドキはします。が、現代に子育てをする親にとって、少なくとも「知っておくべき事柄」なのだと思います。私の頃のような(清濁合わせ持つ)子ども集団はすでになく、一方性犯罪と呼ばれるものの低年齢化や、ネット等の発達による「デジタルタトゥー」化、コミュニケーションが個別化したことによる「見つけにくさ」などなど、「俺の時にはこうだった」が通用しない分野なのだろうと思います(だからと言って、全て受け入れよとも思いませんが)。

 具体的な内容は、中村先生のインスタグラムをご覧戴くのがよいと思いますので、私なりの感想というかメモを残します。

◎子どもの自己決定の場の一つとして考えて欲しい。親であっても「触っていい?」「見てもいい?」は合意を得るべき→個の尊重という意味でよく分かります。認知症の方のケアの指針としての「ユマニチュード」にも通じるものを感じます。けれど現場としては、「何でもイヤ!」な時期もあるはずで、親が一方的に振り回されるのもよくないと感じました。

◎性的なことへの関心には波がある。年中から年長は高く、小学校へ入るといったん低下して外界への関心が高まる。次に来るのは第二次性徴。だが反抗期でもある。→自分の家族のこととか、余りにも身近な例は引けないのですが、確かに「赤ちゃんはどこから生まれてくるの」的な質問は時期限定だったように思います。

◎興味が向く最初の時期、即ち4~5歳。【その時にウヤムヤにしておくと、本番というべき第二次性徴のときに語りにくい】親子関係になってしまうのではないか。→この辺りが「乳幼児から始める」の肝なのですね。ベースとなるのは「合意を得て一人の人間として尊重する」こと。この辺りは納得です。まぁ、「嘘はつかないけれど積極的には語らない」感じでしたね…今までは。

◎お風呂に入ったら、せいきの洗い方は親が伝えてあげて欲しい。→そうですね。石鹸を使ってもいいのか?とか。今まで誰からも教わったことがない気がします。

◎さて内容の濃さはもちろんでしたが、私にとって最も印象的だったのは、中村先生の語り口でした。にこやかに、大切なものをお盆に載せて運ぶような(分かりにくい?)「これはね、◎◎なんだよー」という口調。その暖かさと共に伝えるのも、きっとポイントなんだろうと思います。昨日から早速「合意を得る」に挑戦されているお母さんもいらっしゃるようです。けれど、なかなか難しいでしょう。「そう、イヤなの」を受けとめてあげる(貸しを作る?)ことで、「お母さんだって、イヤなこともありますからね」を受けとめて貰える(返してもらう)関係に近づいていく…かも知れません。

 

 ということで、大変学びになる講演会でした。質問コーナーでも挙手が絶えなかったのが印象的です。準備を進めてこられた常任委員の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

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