先日、近隣の専門学校から１年生の見学がありました。確か平成２８年度が最初ですから、コロナ禍を除いても５回以上にはなると思います。多くは高校を卒業したばかりの学生さんで、「幼稚園とは、こういう所」というのを初めて目にする機会として協力させていただいております。
　初めての時は、そりゃ変な所に力が入った感じもありましたが、毎年丁寧な感想やフィードバックをいただき、自分なりに少しずつアレンジしながら紹介させてもらっています。

　そして！今年は思いついて「私立園の成り立ち方」をお伝えしました。恐らく彼らが「そもそも望んでいた話」ではなかったろうと思うのですが、私としては「それでも伝える意義がある！」と思って、取り入れました。

私立の幼稚園（学校法人）は、寄付行為というものがあって成立します。それは誰かが、教育機関を作ろうと考え、私財を擲（なげう）ったことに由来します。

学園の起源

　つまり、くどく言えば「誰かが、その時代の何かに着目し、考えた結果として、私財を投じて学校法人を設立した」ということなのです。このプロセスは「知覚→思考→行動」でありますが、まさに知的生産そのものです。「当たり前じゃないか」とお感じになるかと思いますが、いずれ先生として社会に出る方々に、これを感じて欲しかったのです。知覚、つまり「今、何に着目するか」がその後の全てを決定づける。先生として子どもと共に過ごすのなら、「子どもが何を知覚しているのか」に敏感であってほしいという願いが私の根底にあるのです。彼女たちが「見学」ということにどれほどの重さを感じて参加したかは分かりませんが、今回幼稚園で見たものが何か将来の行動を左右する要素になりますようにと願っております。「今日、何を見たの？」と。