今年のお買い物ごっこ、先生のアイデアで例年と異なる運用があるのです。それは「５０円玉」の存在。大人の感覚からすれば「当たり前じゃない」かも知れませんが、お買い物ごっこの世界では一つの決断ではあります。実際、それを決める時は先生方がかなり意見を出し合って検討しました。以前はどうだったのか。影響を受ける事柄は何か。どんな問題があり得るか。どんな対応を考えておくべきか。
　「お釣りが発生するかも」。「見間違えないために、どうしたらいいのか」。「使い切ってしまった場合はどうするか」「値段はどんな範囲にすべきか」などなど…。
　その考えの出発点は、「お金を使い切ってしまった子に、大人から追加供給することになっているけれど、「使っちゃった、頂戴」「はいどうぞ」では不公平に繋がるのではないか？お金の大事さが学べないのではないか？というものでした。確かに、使い切った時に「頂戴」を言い出せる子とそうでない子はいそうです。その解決策として、「最初からある程度充分な額を持つ」ということと、「数量や記号の役割と感覚を体験する」という大きなねらいが合わさって、冒頭のチャレンジとなりました。

　その結果は…「お金は大事に使うもの」という意識を強くした子が多かったようです。目についたものをバンバン買うのではなく、慎重になるというか。また、「小さい子にはお釣りが分からないだろうから、１０円玉で出したい。そのために、先生両替してください」というシーンもあったと。その他いろいろな変化が出ているだろうとは思いますが、それは２回目の当日を終えた反省会にて。

　あらためて、１対１で交換しない「お金」という存在の大きさに気づかされています。