学校法人明照学園
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運動会振り返り

運動会振り返り

2017/10/11

 今日はそれぞれ、運動会の振り返り…で、絵を描いていました。先生方の記録からの抜粋です。

「つなひきをお父さんがしている所」「お父さんと親子競技をしているところ」…ご父兄が出てくる絵が多かったです。なるほど。子どもたちがフィールドに出る競技はむろん多いのですが、子どもたちにとって「お父さんを応援する」「お父さんと一緒に何かをする」ことが印象に残ったのですね。
 「応援する」というと、ついつい「大人が子どもを応援する」文脈を想像してしまうのですが、子どもは実は「応援する」のも好きなようです。自分たちがしてもらって嬉しかったことを、自然と自分からも行うというのは、確かに頷ける話。「応援しなさい」なんて言われたことは絶対にないと思うのですが、確かに思い出してみると「親を応援する子ども」は沢山いました。普段の生活の中では滅多に見られない構図でしょうけれど、運動会ならではの光景の一つですね。
 「そのときの気持ちを思いだして、じっくり描こうね」という声掛けで、表情や足の向き、体の様子を細かく描き込んだ絵も見られました。「印象」を残すのか「説明の挿絵」をするのか、そのバランスは悩ましい所です。しかし、「バナナの匂いは何色かな?」的な「感覚を描く」ことを経験してきた子たちですから、「沢山あった、沢山の人がいた」という説明よりも、「その瞬間の雰囲気」を描くこともできたのではないかと思います。幼児の絵は視点の持ち方に特徴があります。説明しようとする余り、いくつもの視点を混在させたり(中世の絵巻のように)、レントゲンのように「中身が透けて見える」絵を描いたり。「そのときの気持ちや雰囲気」に焦点を当てることで、自然と線もゆっくりになり、迫力ある絵に仕上がったことでしょう。
 「バトンを落としてしまって、ごめんなさい」その一言でシーンとなったクラス。でも、「ううん、怒ってないよ!アンカーしてくれて、ありがとう」の声がみんなから上がったそうです。お疲れ休みの間、その子は気にしていたのでしょうね。けれど、事実として起きたことではあるけれど、一人を責めたりはしない子どもたち。徒競走と異なり、バトンを全員が繋いで行うのがリレーです。「自分のことはやったから、もうお終い。知らない」なんて子はいないのです。それは、あの応援の姿を思い出せばすぐに了解できること。「走り終わって砂いじり」という子は、いませんでした。
 運動会は一回こっきり。けれど、それに至る長いストーリーを、みんな持っているのですね。親に励まされた、誰かに応援してもらった。自分のすることは、「割り当てをやりきる事」だけじゃない。苦しんでいる子を励ます。運動会をきっかけに始まったストーリーも、またあるのだろうと思います。行事というアクセントがあるからこそ、日々連綿とつながる子どもの成長が、フラッシュを当てたようにパッと見えたのでしょう。
 改めまして、運動会開催にあたり、保護者の皆様には種々ご協力いただきまして、ありがとうございました。現地練習に送迎してくださって、ありがとうございました。天気予報を睨みながら、一日の予定をフレキシブルに立ててくださって、ありがとうございました。子どもたちに声援と拍手を送ってくださって、ありがとうございました。
 運動会を経ることで、何かまた、子どもたちは成長していくのだろうと思います。これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。

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