今日は文京区内にある私立幼稚園の先生方みんなを対象とした研修会がありました。年に一回の機会ですが、なかなか貴重な集まりでもあります。それぞれ予定を合わせるのもなかなか大変なようですが、約１２０名の先生方が集まりました。
　お話いただいたのは、「公益財団法人　危機管理協会」理事長という、恐らく今までで最もハードな肩書きを持つ先生。元海上自衛隊パイロット・サバイバル訓練担当官で、今は危機管理に関する啓発等を主にされています（ただし平時…という所が凄味を感じさせます）。
　今まで、いろいろと困難な場面にも赴かれ、その中から学んで来られたことを、明確に伝えて下さいました。自衛組織とは言え、実際に人を殺せる兵器を扱ったり、「もう私達の後に行ける人たちはいない」という状況で活動する訳ですから、相当な責任感とプレッシャーの中を過ごしてこられたのだろうと思います。何か事が起きたら、もう帰れる保証はない。最善を尽くすしかない。そこで培われた知見から、子どもを守るための知識と経験と統率力を、先生方にも持って欲しいと願っての講演でした。
　私にとって一番印象的だったのは、「基本・原則を持ちつつ、もしも今…ということを予め時々考えておくべき」という事、そして「空振りに終わっても（大丈夫だったとしても）次も避難する・次も真面目に対応する」という事です。園だより９月号でとりあげた「正常性バイアス」についての言及もありました。子どものいる時間はONでいる。あるいは待機時間と心得る。何かにつけ心配事はありますが、向き合い続けること、シュミレーションすることで、いずれやってくる「本番」に、悔いなく対応しなければと思いました。