歌を聞いていて
2015/01/18
昨日は、12月・1月生まれの子どもたちの、お誕生日会でした。幼稚園では、「一人ひとりのお祝い」であると共に、友達の、クラスの、みんなのお祝いという視点から、歌の発表会的な側面があります。
ここ数年、昔ながらの「童謡」のみならず、色んな歌がうたわれていますが、子どもの姿を通じて人間の大切なことを綴っている曲も増えたなぁと思います。クレヨンハウスとか、NHKみんなのうたでも。
年長さんが歌った「ありがとう」は、そんな「新しいこどものうた」です。
小林章悟さんという方が、保育園に勤務していた頃、子どもたちが「ありがとう」をなかなか言えないことに気づいた。それが、この曲の生まれたきっかけだそうです。
非常に得心しました。詰まるところ、子どもたちの身近に「ありがとう」という言葉が少ない、あるいは軽々に扱われているのだろうと。当たり前の話ですが、言葉は生まれた時から持っているものではなく、経験から学んで取得するものです(日本語か?中国語か?という言語自体がそうですね)。ですから私達は「どんな言葉を持った子どもたちを育てたいか」を考えるとき、その言葉がたくさんある環境を作らなければなりません。よくいう「お母さんが子どもに謝れる人であれば、その子も人に謝れるようになる。そして逆もまた真なり」というのと同じ理屈です。
言葉の正しさとは、「状況に、そして伝えない感覚にとって相応しいか」であろうと思います。つまり、文脈の中にあってこそ使える言葉・生きた言葉として身に付けるものです。「小さな事柄に小さく感謝、小さな事柄に小さくごめんなさい(大したことない、と切り捨てないで)」と、経験回数を増やしてほしいなぁというのが、私の願いです。
もう一つ、この曲の2番は子どもから親への感謝を綴った詩なのですが、「生まれて初めて見たのは両親の笑顔」とは、きっとその通りなのでしょうけれど記憶にあるかは怪しいな、と思います。それよりも、「お父さん・お母さん、僕を私を見て微笑んでくれたんでしょ」と、大人の側が思い出すきっかけをくれている歌詞なのだろうと思います。
でもね。大人に聞かせるための歌とは限らないと、私は思います。
「僕・私がいつか親になったら、こんな風に思うのかな」と、未来の自分に向けて自分の中に種を植えている感じがしました。
どうして私は、そう感じたのか。
歌を聞きながら、「君たちもいつか、人の親になるといいよ」という思いが、私の中に湧き出てきたからです。
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