花さき山
2010/02/22
今日は、恐らく本年度最後の「お御堂まいり」。となれば、あの話をしたくなるのは例年のこと。それは名作『花さき山』。黒ベースの表紙からして何やら重苦しい雰囲気が伝わってきますが、内容は何とも深く、業とか肉親とはとか欲望とか自我とか、色々に想いを馳せてしまいます。
今回、話しながらフト思いました。「こんなに他人を立てたり、自分が我慢することを持ち上げて、現代人にはどう聞こえるのだろうか」と。世の中どうにも、「自分をはっきり主張せよ!」の大合唱のような気がするなかで、「我慢すること」を「人知れず花が咲く」として賛美していいのだろうかと。
しばし考えたのですが、結論は「やはり良いのだろう」と。現代日本で「自分を主張しよう」という流れは確かに強いのですが、それが「即ち相手に受け入れられる」という前提を持っている、という危うさを感じてしまうからです。恐らく他国では、「主張して、戦わせて、勝ったり負けたり」なのでしょう。しかし「欲しいものは欲しいと言った方が勝ち」である日本で、「主張しよう」だけでは世の中良くならない気がするのです。主張して、相手の主張を聞き検討して折り合って。そこまでセットでなければ、「主張促進論」は喧嘩に繋がる土壌を作っているに過ぎないと思います。 次は「我慢」が人間に与える効果について考えます。
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