隣にいるから分かる

　今日は１０月の「お御堂参り」でした。お話したのは「証誠寺の狸囃子」なのですが、満月の話なので、そこを導入に使いました。

　最初、円を掲げて「これって何だと思う？」と子ども達に尋ねました。「まる、えん、ボール、おひさま、まんまる、つき…」さまざまな見立てが語られます。「なるほどね、では、次のは何だと思う？」と２番目の絵を見せました。すると、「半分、半月…」との声。一本の線でできている「図形」ですが、隣に対照物を置くことで、見立てが固まっていくのですね。「二つを見比べることで、物語の中（両方とも月の形だ！）で解釈するようになる」という、認識の変化がとても面白かったです。

　それを受けて、「そう、今はこの形をお月様みたいって子がいるけれど、こういう形の月って見たことある？」と尋ねました。その後再び円を掲げて「こういう形の月を、満月って言うんだ。今日はこの満月が出てくるお話をしますね」と言ってスタートしていきました。

　お話自体はスタンダードですが、途中の腹鼓ではリズムよく、掛け合いにもしました。その面白さもあって、子ども達は物語全体を楽しめたようです。

　「最初に出会った時はドキドキしたけれど、和尚さんもお腹を叩いて、一緒に遊んだから仲良くなったんだよね」とまとめをして終わりました。