今年度はずっと「お御堂参り」に行かれなかったので、是非にと計画した結果、今週が「縦割りお御堂参り週間」となり、今日から５グループに分かれてお参りしています。「縦割り」である意味は殊に大きくて、「お兄さん・お姉さんを見てごらん。きれいに座っていますね」という促しで、みんな注目して姿勢を直していきます。普段は「同学年」で過ごすことが多いですけれど、こういった「異年齢で一緒に過ごす」ことは文化の伝承にも繋がると考えています。…これ、以前であれば「感じています」程度に書いたかも知れませんが、コロナ禍で機械（情報機器）と過ごす時間が長かったであろう今年にあっては、明確に「考えている」ことです。
　さて、『花さき山』については、ご存知の方が多いと思います。もしかしたら「我慢する・人に譲る」という価値観が現代的ではない、と感じる方もあるかも知れませんけれど、私から見れば「人間らしさとは」の物語でもあると思います。
　今日よんでいて、自分の中で印象的だったのは「あや」が戻ってきて里の人に花さき山について話すのですが、それを笑われてしまう、というところです。「おっかあは、どんなに喜んだか」と親孝行な彼女なのですが、「夢でも見たんだろう」と信じてもらえない。こりゃ辛いでしょうに。
　けれど。ここからが結論です。彼女は自分の体験を信じるのですね、「誰が信じてくれないにしても、私はいま、きっと花を咲かせている。」と信じられる。それが彼女の強さであり、素晴らしさであり、恐らく人間の尊さ＝筆者の言いたかったこと、なのでしょうね。この物語は自立への物語である。そう感じたゆえんです。