いつも、曲がり角
2015/12/03
いつだったか、就職関係の本を読んでいて、こんな質問があったらどうする?という記事がありました。
「あなたは、自転車で会社へ向かっています。全力で飛ばせば、ギリギリ間に合うタイミング。しかし、ある角に差し掛かると、イキナリ!チョット危なっかしい感じで、陰から一台の自転車が出てきました。 間一髪、接触は避けられたのですが、背後から「ゴツ」という音が聞こえました。サァどうする?いうまでもありませんが、始業時刻はもうすぐです。」
サァどうするって言ってもね…。ここまで読んで、「ああ、就職活動のなかで、この問いが出るのねぇ」ということを、まず思い出しました。問いの文脈以前に、問いの置かれている文脈(環境)。そこを踏まえないと、議論にならない。会社への忠誠か、地域住民としての務め(大げさに言えば)か。その辺の葛藤を見たい質問なのだろうと思います。
ひるがえって、幼稚園への登園途中だったらどうか?例えば、雨で視界が悪かった。うちはご存知のように「登園時間を守りましょう」にはウルサイ。色んな条件があるのでしょうけれど、園長としては、後者の態度を取っていただきたいと思います。子どもたちは一人前ではなく、地域の大人たちに守ってもらわなければならない存在です。幼稚園は、ある意味地域の中で存在を許容してもらっている、そう構えておいたほうが良いと考えています。
で、例えばその方への対応をして、もしかしたら病院に付き合ったかも知れません。幼稚園には遅刻。あーあ。でもね、それは挽回と学びの機会になるのです。
「今日は遅れてしまってすみません。来る途中で、自転車の事故がありまして…その対応をして、遅くなってしまいました。」その事を…きっと責めませんよ。ここは会社ではないのですから。そして、「出るのがギリギリになってしまったのが、今回の発端です。子どもと一緒に、余裕を持って家を出ようねって、お話しします。」という事になれば、お母さんが立派に子どもと学ぶ経験になるのです。そうする事で、子どもは「自転車に乗っけられている」だけではない存在になるのです。いつも曲がり角。どこにでも、子どもの学びのタネとなる事が、転がっているのです。
何十年かたって、子どもが大人になり、年をとり、チョット危なっかしい運転で自転車をこぐ事になるかも知れないのですから。
くれぐれも、雨の日の運転は気をつけて。
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明照幼稚園
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