環境を活かす

 去る水曜日、子ども達が帰ったあとで、先生方は研修会を行いました。中心テーマは「昨年11〜12月辺りで、子ども達にどんな姿・どんな成長が見られたか?」というのを、学年ごとに発表してもらったのです。そして更に学校の先生からコメントをいただくという内容でした。
 これ、「研修会」と聞くと勉強チックなのですが、なかなか興味深く面白いのです。例えばこんな感じ。

 「子ども達に、妖怪が出てくる絵本を読んだ。その中に出てきた呪文を気に入った様子だった。”幼稚園の森に行ってみる?”と誘うと、みな張り切って行くことになった。幼稚園の池の裏へ差し掛かると、いささか怖さも出てきたようだが、みんなで呪文を唱えて探検した」(年少組)
 「お御堂参りの”頭山”から、”幼稚園にも茸があるんじゃないか?”ということで探して回ったけれど見つからなかった。そこで”しいたけ栽培キット”を入手し、みんなで見守りながら育てた。”ナスよりも成長が早い”などと気づきもあり、”塩で食べよう(アレルギーの子もいるので)”など、みんなで関わって収穫と”椎茸焼き”に臨んだ。火が弱くなってくると”僕も焼きたい”という声があがり、いつしか”1人50秒ずつね”というルールもできていった」(年長組)
 それぞれの学年・子ども達の特徴が出ているのはもちろんのこと、園長が感心したのは「この幼稚園の環境を充分に活かしているな」という、先生方の視野の広さです。「幼稚園に妖怪がいるかも知れない」とワクワクする年少児、「探してないのなら自分達の手で」と考える年長児。いずれも子どもの想いを先生がすくい取り、可能な限り寄り添っている姿が見られたのでした。
 先月の「園だより」にも書きましたが、「保育雑誌」に出てくる「一般的・理想的」な保育を行うことも(もちろん)できます。けれど本質的に、保育内容は園の環境によるべし。そう考えている私としても、とても嬉しい報告でした。

 そして、「どんなコメントも歓迎。よいコメントとは質よりも量。聞いていて思いついたことを話すことで、周りのインスピレーションが刺激されるから」その価値観で、いろんなコメントが出ました。多いのは「ウチの学年だったら…」という想像です。「昔、こんなことがあった」「以前はこうだった」という「とりとめもな」さそうな話が、実は何かの発見に向かっていることは、よくあります。それを何となく感じると、ワクワクもするものです。
 「そこで悩むの、分かります」という共感もあり、「やっぱり、学びというのは経験量によるんだよね」「先生が、子どもの行動を面白がることから広がるよね」といった深い学びにも繋がりました。
 日々全ての活動が、こうした結果に繋がるわけではありません。けれど、どこかで先生達はキャッチするのです。「面白さ」の種を。最後の総括で、学校の先生が「この幼稚園の一番の財産は、やっぱり先生方のセンスの良さですね」といって下さったのは、私の(密かな)自慢です。