子どもの一番の願い

この間、お寺のお参りで聞いた話。その方は、娘さんがもう30代ですので、「その昔」幼稚園のお母さんでした。その同窓会(お母さんの)があって、色々話が出たそうですが、最近になって、ある娘さん(つまり30歳位)が、「実は私、小さい頃とてもいじめられていたの。だけど、お母さんに心配掛けたくなくて、黙っていたのよ」と言ってくれたのだそうだ。何年間、胸にしまっていたのだろう…そして、言えて良かったですね。親を悲しませたくない、心配かけたくない」というのは、ほんの小さな子の、一番の願いなのかも知れません。そして、お母さんを思うあまり、口に出すことなく過ごしてきたのでしょう。それを聞いてお母さんは、「そう、ごめんなさいね。でも言ってくれてありがとう」と応えたそうです。 いじめられたのは辛かっただろうけれど、それでも生きてこられた。それを抱えたままで生きてこられた。今更恨み言を言うということでなく、明かすことが出来た。 ある意味、お母さんと子どもが対等になった瞬間ではなかったか、と思います。