ネタバレあり{遺体}

ごめんなさい、幼稚園のブログで「遺体」だなんて。でも、今は子どもも来ていないし、見たかったけれど見そびれていたし、原作本も読んだし、ネット配信で見つけてしまったんですもの。少しお付き合い下さい。

これは、東日本大震災直後、釜石の遺体安置所のルポをベースにした映画です。もちろん改めて俳優さんが入って作っているのですが、きっと相当な部分、本当のエピソードを含んでいるのだろうと思います。そこに、お坊さんが描かれていました。

遺体の収容が始まって何日か経って、多分地元のお坊さんが遺体安置所にやって来ます。既に手作りの祭壇は出来ており、西田敏行さん扮する民生委員さんが、「お経を上げてください。」と言う。お坊さんも、「もちろん、そのために来たのです。」と応え、お経を読み始めます。

でも、続かない。声が続かないのです。実のところ、私にも経験があります。お通夜に行ったのに、途中でお経が読めなくなったことが。だから、その状況がよく分かるのです。

でも、テレビの前の私は一方で思いました。「こんな時にもお経を唱えなければならない。そのために、私たちは日々お経をあげているのではないか?イザという時に自然に口をついて出るよう、いつも練習しているのではないか?」と。

しかし、実のところ、私も実際の現場に行ったら、どうなるか分かりません。鎌倉時代の坊さんは、戦乱で亡くなった方にでも、勉強している時間のない人にでも、「それでも、できること」として南無阿弥陀仏とか南無妙法蓮華経とか、「言えばいいのだ」と説きました。どれだけ切羽詰まった状況でも、「できることがある」。それをきっと心の支えにしなさい、と言ったのでしょう。

私が老衰で死ぬまでには、きっと関東大震災が来るのだろうと思います。その時、自分がどうするか。分かりませんが、少なくともその場に出る覚悟だけは、持ち続けていきたいと思います。