クサイ
11月の幼稚園は、月末のお買い物ごっこに向けて、制作の目白押し。色んな素材(廃材を含む)使って、クラスごとのお店を開くため、沢山の「商品」を作っています。普段は使わないものが色々出てくるので、その反応も様々。 あるクラスでボンドを使ったところ、「クサイ」といやがる子が続出したとか。ふむー、と考えてしまうのであります。 僕自身はかなり匂いは分かる方なので、我が子の頭の匂いを嗅いでは「今日は小鳥のにおい」「お日様のにおい」とか面白がっていますが、子ども達の表現力は恐ろしく少ない。「くさい」「いい匂い」位しかない。まぁ主観的なものを客観的な道具である言葉を使って表すので難しいんですが、お線香もクサイ、犬もクサイ、ってちょっとね…。で思い出すのは、学校に上がってからイジメの言葉として必ず出てくる「クサイ」という言葉。目に見えない部分で、感じるのだから昔から神様の現れ方のように扱われてきたけれど、この「良い」「悪い」しか表現できない子ども達にとって、容易に「とにかくあいつはNO!」というイジメの言葉として転化していくのは心配の種。「臭くたって、これ使わなきゃできないんだから、終わったらさっさと手を洗えばいいのよ」というものだが、「クサイ、クサイ」が集団になると一体感もある、面白味もあるというやっかいなもの。感覚と表現の貧困さが、イジメの状況に繋がっているようで、何とも嫌な感じ。ぜひ!匂いの色々な表現を子どもに浴びせておきたいものです。