田舎の鼠と街の鼠


 お御堂参りでは、子ども達の正座が随分板に付いてきたと感じます。「とにかく短く・笑えて・楽しかったと終わる」時期は過ぎて、色んな悪人が出てきたり、辛い場面を含むお話も増えてきました。
 今回は、「田舎の鼠と街の鼠」、ちょっとアレンジして「野ねずみと家ねずみ」という表現でお話しました。最初は「園長先生の家には、鼠がいるんです」と切り出したのですが、子ども達には相当ショッキングだったのでしょうね。かなり場が涌きました。「そういう、家に住んでいるのは家ネズミ。そうでなく、外に住んでいるのは野ネズミと言います」と紹介したのですが、「野に住んでいる」がどれだけイメージできるか…は分かりません。
 さて、ストーリーは有名なので割愛しますが、最後に「みんなだったら、どっちがいいかな?自分で食べ物を探さなきゃならないけれど、安心して食べられる。それとも、怖い思いはするけれど沢山食べられる。」子ども達は、くちぐちに自分の思いを述べていました。対話にはなりませんけれど、「どっちが正解ということはない」命題を出せたのは、良かったかと思います。
 賢い子は「ビクビクしないで、好きな物を沢山食べたい!」と言うかも知れませんが、この話(イソップです)の言いたいことは「どちらかを優先するならば、自分で食べ物を手に入れることだよね」であるはずです。「問いに正面から答えない」はイマドキのはやりかも知れませんが、考えを鍛えるには「問いに直面する」ことが必要だと思います。回避するのはそのあとで。