食べ物で遊ばない

 年少さんでは言葉の時間で俳句を読んでいます。「納豆の糸引っ張りて遊びけり」は小林一茶です。納豆というのは冬の季語なのですね。それを聞いて、子どもから極々自然な反応がありました。
 「食べ物で遊んじゃいけないんだよ。」まさに正論、その通りです。もしかしたら、彼じしん納豆で遊んで怒られた経験があるのかも知れません…ふふふ。
 しかし、そのことについて先生方と話していたら、「いろんな見方があるものだなぁ」と思いました。「納豆の糸をひく様子が、まるで豆どうし綱引きして遊んでいるように見えたのでしょうか」。なるほど、擬人化ですね。「子どもが暇で、他に遊ぶ道具もなくて、ボケーっと納豆を弄って(いじって)いたのでしょうか」。確かに、子どもの寂しさが表れた俳句なのかも知れません。「いや、納豆を混ぜて、フッと糸が光ったり風に揺れたりして、面白くて何度もやって見ている姿じゃないでしょうか」。目の付け所で、納豆「をおもちゃにする」ということでしょうか。
 と、色々な思いを巡らしてみたのですが、正解は分かりません。というか「人それぞれの味わい」で良いのではないかと思います。普段は俳句というと音のリズムを心地よく味わうことを主眼にしていますが、ピンと来た子どもが突っ込んだ発言をしてくれると、鑑賞の世界がぐっと広がります。
 今日は私も保育室で見ていたので、「みんなも納豆を食べる時があったら、糸が何色か、どんな感じか、よく見てみてね」とお話しました。ですので、そんな様子が見られたら、「遊んでいないで、さっさと食べなさい」の前に、ちょっと子どもの表情を見てあげていただきたいと思います。